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歯周病とは

よく聞く名前ではあると思いますが、意外ときちんとした意味を知らない人も多いと思われます。 詳しく言うと歯肉(歯茎)や歯槽骨(歯を支える骨)など歯を支える歯の周りの組織全体に起こる病気の事なのです。大人の病気と思われていましたが、最近は食生活の変化により10代でも初期的な症状を起こしている事があります。症状としては、歯肉が腫れて軽い出血を伴う歯肉炎→歯が動き出す軽度の歯周炎→歯槽骨の破壊が進み歯がぐらつき、歯肉から膿が出だす重度の歯周病となります。
ここまで行くと抜歯しか治療法はありません。
歯の喪失原因の第一位でもあります。

歯周病の原因となるもの

歯周病の直接の原因は、歯垢の中の細菌が引き起こすことが多いのですが、それを悪化させる要因は他にもたくさんあります。歯磨きが不十分。寝ているときの歯ぎしり。疲れやストレスによる体の免疫力低下、糖尿病などの体の病気があります。
体の病気によるものを除けば、あなた本人の努力でいくらでも予防可能なものばかりなのです。

歯周病の原因となる6つの項目

  • 歯磨きが不十分
  • 寝ているときの歯ぎしり
  • 疲れやストレスによる身体の免疫力低下
  • 糖尿病などの体の病気
  • 喫煙
  • 咬み合わせ不良

歯周病の進行

  1. Lebel 1歯肉炎

    歯ぐきに炎症が起きて赤く腫れており、歯ブラシの刺激で出血する可能性があります。腫れや出血があっても放置する方も多く、その場合は歯周炎へと進行してしまうのです。歯垢を除去して正しい歯磨きを継続すると、歯ぐきの炎症が改善して歯周病の進行を抑えられます。

    治療法:ブラッシング指導など

  2. Lebel 2軽度歯周病

    歯周ポケットが深くなると内側でさらに細菌が繁殖しやすくなります。歯ぐきの炎症や歯磨きでの出血も悪化し、冷たい水がしみる知覚過敏の症状も見られます。

    治療法:スケーリング

  3. Lebel 3中等度歯周病

    歯槽骨が半分くらい吸収され、支えを失った歯は動揺し始めます。歯ぐきはハリがなくブヨブヨと腫れ上がり、歯ぐきを押すと膿が出ることもあります。膿は口臭の原因にもなり、周囲に不快感を与えかねません。

    治療法:SRP

  4. Lebel 4重度歯周病

    歯槽骨の大部分が溶かされている状態です。歯を支えきれず、自然と抜け落ちてしまう恐れがあります。出血や膿もひどく、抜歯が必要な症例もほとんどですが、歯周外科手術を通じて改善する可能性もあるため、できるだけ早く治療しましょう。

歯周病の予防について

  • 歯磨きは丁寧に

    むし歯と同様、歯周病もまた歯垢の中の細菌が原因で起こります。 食後は30分あけてブラッシングをするよう心がけてください。あけすぎると菌が増殖するので30分くらいを目安にブラッシングして下さい。

  • 禁煙指導

    歯周病治療においては禁煙が非常に大切になってきます。なぜなら日々丁寧に歯を磨いていて、歯科医院でクリーニングを頑張っている方でも、喫煙をしていると、なかなか歯周病の改善が見込めないケースが多いからです。
    「昔から喫煙する習慣がある」「一日のタバコを吸う量が多い」。そのような方が禁煙するのが難しいかもしれませんが、根本的に歯周病を予防・改善したい場合は、間違いなくタバコを控える必要があります。そのため当院では禁煙指導のサポートを行っています。

  • 疲れをためない

    体が疲れてくると、その影響はすぐに歯肉に出てきます。その弱った歯肉に歯垢が悪さをして、油断しているとすぐに歯周病におかされてしまうのです。またストレスをためることも歯肉を弱くしていく要因になります。

歯科医院によるトータルな予防

PMTC

検査を受けて歯全体にある歯垢の量、歯周病の有無や進行具合、 むし歯の原因となる歯周菌の量、唾液の成分、分泌量を調べます。歯の表面や歯ブラシでは届かないところにある歯全体の汚れを機械的に取り除きます。 その後歯に歯垢が付きにくくするため、PMTCを行います。その後は定期的に歯垢の除去に通院する必要があります。

タバコを多く吸う人や、コーヒー・紅茶などの飲料を多く飲む人は、歯の表面が頻繁に着色する事が多いです。こういった歯の着色を除去することを目的としてPMTCを行います。これがポリッシングです。このポリッシングにより、審美治療におけるホワイトニングをより効果的にする事もできます。

定期検診の必要性

お口の中の汚れやプラークは、日々のブラッシングである程度は取り除けます。しかし、歯と歯の間、歯と歯ぐきの間は歯ブラシがなかなか届かず、汚れが蓄積しがちです。
だからこそ定期検診が重要になってきます。当院では一人ひとりのお口の状況を踏まえた上で、クリーニングを行い、正しいブラッシング方法のアドバイスが可能です。
ぜひ日々のブラッシングで取り除くことが難しい歯垢や歯石を歯科医院で除去し、お口を含めた全身の健康を守っていきましょう。状況によっては、デンタルフロスや歯間ブラシなど補助清掃用具の正しい使い方もお伝えいたします。

口臭外来

自分では知らないうちに、他人に迷惑をかけてしまうのが口臭です。
最近では多くの人が口臭に悩んでいます。このような方には、測定器を使用して科学的な分析のもと対処していく方法があります。

口臭測定器(ブレストロン)

「自分に口臭があるのではないか?」とお悩みになっている患者様は大勢いらっしゃいます。
確かに歯周病が進行すると、歯周病菌によって口臭が発生します。しかし、患者様のなかには過度に口臭を気にされている方も多いようです。その場合は口臭測定器(ブレストロン)で口臭の状況を科学的に測定しましょう。
ブレストロンは、マウスピースに内蔵されたフィルターが余分なガスを取り除くので、スピーディーかつ正確に口臭の原因を調べることが可能です。

口臭の原因とそのメカニズム

口臭は発生の部分あるいは原因の違いによって一般に次のように分類されます

局所的原因に基づく口臭

唾液分泌の減少 歯口清掃不良 多数歯齲蝕 慢性辺緑性歯周炎 軟組織の炎症 舌苔 清掃不良の有床義歯

通常、口臭を有する者の口腔内気体からは、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドが検出され、その濃度と口臭の強弱には明らかな相関が認められることが報告されている。特にメチルメルカプタンとの相関が強いといわれます。

全身的原因に基づく口臭

口腔以外の組織、臓器に何らかの異常や疾患がある場合に口臭を発する。特に口腔に隣接する組織、臓器ではその影響が大きいのです。消化器系:上部消化器系の疾患、すなわち食道.胃部の憩室、狭窄、癌、無酸症など
呼吸器系:副鼻腔炎、委縮性鼻炎、扁桃炎、気管支拡張症、慢性化膿性気管支炎、肺化膿症など
その他の疾患:糖尿病、肝不全、腎不全、重金属中毒症など
飲食物などによる口臭
その他の原因による口臭

【生理的口臭】
乳児口臭、早朝時口臭、空腹時口臭、月経時口臭などがあります。生体の代謝や分泌物の質や量の変化によるものと考えられています。

【心因性口臭】
他覚的には口臭を認めないにもかかわらず、本人のみが強く口臭を気にしている心因性(精神的)口臭症があります。

口臭の予防ならびに処置

歯口清掃

歯口清掃により口腔内を清潔に保つことは、口臭予防と治療には不可欠である。また舌の清掃による口臭の減少は効果が高い。

口腔疾患の治療

口臭の予防と治療には、存在する口腔疾患をまず完全に治療することが肝要である。特に慢性辺縁性歯周炎は病的口臭の主原因となっているので、その徹底的な治療・処置が口臭抑制のために不可欠であります。

レーザー口臭治療

薬剤を歯肉辺縁と舌に塗布し、レーザー照射を行い口臭を除去します。