ORAL SURGERY

口腔外科について

一般歯科で取り扱う病気は、主にむし歯と歯周病です。口腔外科で扱う病気は、それ以外の外傷、顎変形症、炎症そして嚢胞などがあります。当院では歯科口腔外科ということで、外来にて局所麻酔でおこなえる手術を主におこなっています。入院は不要です。手術は患者様との話し合いや、手術内容をしっかり説明のうえ進めます。

顎関節症・口腔外科専門サイト

親知らずの抜歯

埋状歯抜歯術

口腔外科は、一般歯科医では難しい親知らずの抜歯をおこないます。
埋伏歯というのは、よく聞く「親知らず」のことで、当院で行っている手術で最もポピュラーなものです。
親知らずの生え方にはいくつかの種類があります。

  • 普通に生えている場合
  • 歯の一部だけ生えている場合
  • ほぼ完全に顎(アゴ)の骨に埋まっている場合

この中で2と3のケースは、むし歯になりやすかったり、周囲の歯肉の炎症(智歯周囲炎)をおこしやすいため抜歯の適応となります。

一般的な抜歯方法としては、まずかぶっている歯肉を切開してめくり、次に一部かぶっている骨を削り、ひっかかっている歯も一部削り、分割して抜きます。あとは歯肉を元通りに縫い合わせて終わりです。およそ30分程度の手術になります。

水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)

一般歯科では困難と思われる水平埋伏智歯や埋伏過剰歯などの抜歯も
行っております。

骨に埋まった状態の歯は「埋伏歯(まいふくし)」親知らずの場合は「埋伏智歯(まいふくちし)」水平に埋まった状態の親知らず歯を「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」といいます。

親知らずは、完全に骨内に埋まっていればあまり問題は起こさないのですが、大抵は一部が口の中に露出していることが多く、その隙間に汚れが溜まりやすく、しばしば歯ぐきが炎症をおこしたり、隣の歯をむし歯にしてしまう要因となります。噛み合わせに大切な歯まで抜かなければいけなくなる可能性もありますので、例え痛みがなくとも、親知らずは早く抜いておきましょう。

子供では上顎の正中部にできる過剰歯が多く、適切な時期に永久歯がはえてこなかったり、正常な位置にはえるのを邪魔するためすきっ歯の原因となります。また、本来はえてくるべき所にはえずに無症状ながら将来的に嚢胞(のうほう)として顎の骨のなかに袋をつくってしまうこともあり、どうも歯がはえてこないなと思われたならレントゲン検査をされてみることをおすすめいたします。

歯根嚢胞

歯根嚢胞とは、顎骨内にできる嚢胞の中でもっとも多く、主にウ触(むし歯)により、歯の神経に感染が起こり神経が腐って歯の根の先に形成される「膿の袋」のことです。

この嚢胞を放っておくと、徐々に増大し、顎の骨をどんどん吸収していきます。初期の小さな病巣の場合では、一般的な根の治療で良くなる事もありますが、ある程度進行してしまった場合、根の治療をしても良くならないことがほとんどです。

当院では、この嚢胞を摘出する際「歯根端切除術」という方法でおこないます。

歯根端切除術(歯根嚢胞)

再植術とは違い、歯を抜かずに悪い根の先端と膿の袋を一緒に除去してしまう方法です。 まずは歯肉を切開して嚢胞のある部分までめくります。悪い部分が出てきたら専用の器具・機械で削っていきます。嚢胞と根の先の感染部を取り除いたら、あとは縫い合わせて終わりです。

顎関節症

顎関節症は、若い女性に多く見られ、食事をする時に顎が”ガクガク”鳴ったり、口をあける時に痛くなったり、時には口が開かなくなります。
顎関節症の原因は、上下の歯をかみ合わした時に深く咬み込み過ぎてしまうことですので、顎関節症の治療法はその逆の状態を作ってあげれば良いわけです。
顎関節症の治療は顎関節を治そうとするのではなく、まず下顎の咬み込みを少なくしてあげることなのです。ようするに顎関節症は顎関節に主病因があるわけではなく、咬み込みが深いという主病因のために、顎関節にダメージを来したものだからです。

治療法を簡単にご説明

左図のような脱着式のプレート(アクリリックレジン製)を歯にかまして、深く咬み込めなくすれば良いわけです。こうすることで、下顎頭と顎関節窩に関節円板が正しく戻るスペースができます。

また、下顎の回転運動が第2頚椎を中心とした公転運動の範囲で完結するようになります。あとは関節円板が自然に正しく戻ってくるのを待つだけです。

関節円板が線維性の癒着をしていても外科手術は避けます。下顎が第2頚椎を中心に回転している運動になれば、関節円板が癒着していてもあまり問題はありません。

積極的に関節円板を戻すためにはプレートを装着した状態で、口を最大に開いて、そのまま最も前方に下顎を突き出してから口を閉じ、上下の前歯がそろう位置まで下顎を戻す運動を繰り返します。

顎関節症には様々なタイプがあります

筋肉、周りの組織、関節内の軟骨、骨、その他などのタイプです。音がカクカクいうのは、軟骨に症状が出ているということです。

症状によっては、治療法の一つに、バイトプレート(マウスピースのようなもの)を用いた方法があります。

また筋肉のマッサージの器械(マイオモニター)を使ってストレスを除きます。ほっておくと、口が開きにくくなったり、閉じにくくなる場合があります。

こんなお悩みはありませんか?

  • 噛み合わせがよくない
  • 片方の歯だけでよく噛む
  • ほおづえをよくつく
  • 姿勢が悪い
  • 歯ぎしりをよくする

心当たりがある方は、お気軽にご相談ください。

治療と予防の方法

要素が複数存在するため、原因に応じた治療法を選ぶことになります。
主な方法としては顎にとって悪い姿勢や癖を直す。心理面でのストレスを排除。湿布や超音波マッサージによる理学療法。薬による痛みの緩和。特殊な装置をはめて顎関節の負担を軽くするスプリント治療。あごのかみ合わせの矯正などがあります。治療後も定期的な検査と日常生活での注意が必要となります。予防としては、姿勢を正して安定した姿勢で生活する。食事の際片側の歯だけで食べ物を噛まないよう気をつける。などが挙げられます。

スポーツ外来

大切な歯と顎を守りましょう

スポーツにはケガがつきものです。とくに動きの早いスポーツ、コンタクト(接触)の多いスポーツでは、顎(あご)や顔面領域のケガの発生率が高くなっています。当院では、ケガの予防のためのマウスガードの製作や、歯や顎などのケガの治療などを行っております。

例えばこんな症状があります

  • 口のあたりに軽くボールが当たったりしただけでも、そのままにしておくと、歯の神経が死んでしまい変色歯となってしまうことがあります。ちょっとしたことでも歯科医院で検査を受けるようにしましょう。

  • 歯が抜け落ちた時は、歯を優しく洗って埃や泥などを落とし、牛乳や水で濡らしたガーゼやハンカチなどで包んだり、乾燥させないようにしてできるだけ早く歯科医院に行きましょう。歯が元通りになることがあります。

  • 顎の骨折では下顎の正中部での骨折が多く見られます。

マウスガードについて

マウスガードは口の中の保護装置で、マウスピース、マウスプロテクターなどとも呼ばれています。マウスガードは外力から顎と口のまわりへの衝撃をやわらげ、歯の破折や、顎の骨折、口の中・口の外の軟組織のケガを防止するものです。脳震盪の防止にもなります。マウスガードは、上顎の歯につけることが多いのですが、スポーツによっては下のほうだけ、あるいは上下につけることもあります。

マウスガードは歯科医院で作りましょう

マウスガードにはスポーツ用品店などで販売されている簡易型のものもありますが、口をあけるとすぐに落ちてしまったり、正しい咬み合わせができず顎関節を痛めるなど、かえって危険なことがあります。歯科医院で型をとって精密に作るものが安全です。

マウスガードとスポーツパフォーマンス

正しいマウスガードの使用は、からだのバランスの安定、筋力の向上がみられるという研究データがあります。競技の種類によっては、競技力が向上すると報告されていますので、歯科医院でつねにチェックしてもらいましょう。

マウスガードの効果

スポーツ先進国アメリカの歯科医師会の報告によると、合衆国内で行なわれるスポーツの試合中にマウスガードを装着することで、年間200,000件以上の口腔領域のスポーツ外傷を防いでいるとしています。日本においても最近、予防効果が高いという同様な学会報告がみられます。

  • 歯の保護
  • 口腔・口唇周辺部の裂傷予防
  • 顎部の骨折の予防
  • 顎関節の保護
  • 脳震盪の予防
           
メリット
  • 力を入れた際、歯の破折や摩耗を防ぐ効果が期待される
  • しっかり噛めるようになるため、力が逃げにくく、スポーツにおけるパフォーマンス向上が期待される
  • 衝突時に、口腔内の裂傷、顎の骨や頭部に受ける衝撃を軽減する
デメリット
  • 保険適用外のため、自費による診療となる
  • より制度の高いマウスピースを製作するために、型取りの前に虫歯や歯周病の治療を必要とする場合がある
  • オーダーメイドで製作する場合、製作後の調整やメインテナンスを必要とする
料金 5,000円(税込)
治療期間 2か月
治療回数 3回

こんなスポーツにはマウスガードをおすすめしています

多くのスポーツ選手は、パワーを出すために歯を食いしばります。マウスガード装着時の食いしばりは、マウスガードをすり減らしてしまいます。マウスガードは少なくとも1年に1回はすり減りや破損をチェックしてもらい、いたんだものは作り変えることをおすすめします。また成長期のお子さんは、かならず2~3ヶ月に一度はチェックを受けましょう。

危険度の高いスポーツ

  • ボクシング
  • サッカー
  • アメフト
  • ラグビー
  • 野球
  • ホッケー
  • アイスホッケー
  • ハングライダー
  • ラクロス
  • 柔道
  • 空手
  • 相撲
  • マーシャルアーツ

中等度の危険を有するスポーツ

  • バスケットボール
  • ハンドボール
  • 飛び込み
  • 体操
  • 乗馬
  • パラシュート
    降下競技
  • スカッシュ
  • スケート
  • スキー

マウスガードの色は様々です

マウスガードは、カラーバリエーションがたくさん揃っています。ご希望の色を使用して、当院の技工士が、患者様のために丁寧に一つ一つ作ります。